A Message from Webmaster to New Version(August 01, 1999)

1999年11月版へのメッセージ



Back Numbers

    1995年10月 ラボ開設のご挨拶  ウエブマスターのプロフィール(Profile Information) [in English]

   1997年04月版へのメッセージ    1997年09月版へのメッセージ   1998年01月版へのメッセージ

    1998年03月版へのメッセージ    1998年05月版へのメッセージ    1998年08月版へのメッセージ

    1998年11月版へのメッセージ     1999年02月版へのメッセージ    1999年06月版へのメッセージ  

    1999年08月版へのメッセージ


◆秋深し◆

  晩秋の六甲台キャンパスには、紅葉が舞っております。

  いつものご来訪、ありがとうございます。この夏にカウンターを取り付けてみて、 来訪者の数が、意外に多いのに驚いています。嬉しいとともに、更新に対する責任 みたいなものを感じています。

この「財務会計ラボ」は、震災の年、1995年の10月に立ち上がりました。おかげ さまで、4周年を迎えたことになります。ご支援に感謝しています。

◆ERP◆

ERPというのは Enterprise Resource Planning の略語だそうですが、この ERPに関連するソフトがいま注目を集めています。受発注、ロジステックス、生 産管理などの汎用業務ソフトがそれですが、サプライチェーン、Eコマースはも とより、会計システムもその中に含まれます。世界的レベルでERPのソフトが動 きはじめ、グローバルスタンダードを確立する勢いです。

従来の考えでは、会計はビジネスを写し取るもので、取引を追いかけていました。 ヒト、モノ、カネの動きがあってから、伝票に記録していたのです。しかし、ERP ではヒト、モノ、カネの動きと会計記録が同時化されています。いや、むしろコン ピュータの指示の方が先で、ファイルの記録に沿って、ヒト、モノ、カネが動きま す。

このERPの中核をなすのは、データベースのようです。OracleとかSQLとかいった パワーフルなデータベースソフトがインターネットと連携するようになってから、 ERPが現実のものになってきたようです。会計の研究においても、このERPは目が 離せない動きになってきました。

◆Cranfiled Universityを訪問◆

  9月にイギリスの Cranfield University, School of Management (bedford, England) を訪問する機会に恵まれ、社会人MBAコースの学生たちとともに、イギリスとEUの現状 を勉強してまいりました。社会人MBAの教育プログラムにも触れましたが、この側面でも 参考になることが多数ありました。

  保険のロイズ、金属取引所、自動車のジャガーなども見学できましたし、ギネス など、美味しい地ビールもたくさん飲ませていただきました。短期間の旅行でした が、楽しく、有益な旅であったと、学生たちと喜んでいます。ローラ岡崎さんご夫妻 をはじめ、同大学の関係者には大変お世話になりました。厚くお礼を申し上げます。

◆台北を訪問(再掲)◆

  7月10日より開かれたGrobalization Conference(By AAA/TAA)に出席するため台北を 訪問し、素晴らしい台湾の文化に触れることができました。台湾は隣国なのに、ま だ一度も訪れたことがなく、それだけに何もかも新鮮な印象を受けました。わずか 5泊6日の滞在でしたが、下町の市場で買い物を楽しんだり、美味しい台湾料理を味 わったりする機会に恵まれ、思い出の多い旅行になったように思います。唯一の失 敗はさる食堂にカメラを置き忘れたことですが、その時にも、例によって台湾ビー ルをかなり飲んでいたわけですので、仕方のないことと諦めています。

  台湾では、多数の会計学関係の先生方や院生たちにお目に掛かり、いいお話をたく さん伺うことができました。また暖かいお心遣いやお世話をいただき、ありがとう ございました。厚くお礼を申し上げます。

なお、台湾でえた写真と絵もご紹介いたします

◆「日本の会計ルール」を新装開店◆

  日本の会計は、企業会計原則、商法、証券取引法、税法によって形づけられており、 「制度会計」として確立しています。数回の大幅な修正をへたものの、半世紀も前 から、ほどんど形を変えずに、日本のビジネスをリードしてきたのです。いまその 制度会計が、大きく揺らいでいます。日本の会計は、「制度疲労」に陥っているのです。

  日本会計を再建するために、会計ルールをアップデートし、グローバルな標準に すりよせようとする動きが続いています。この結果として新会計基準のラッシュ となっています。次から次に新しい会計ルールが発表され、大きな変貌を遂げよ うとしています。

  この動きを受けて、「財務会計ラボ」においては、その「日本の会計ルール」を 大幅に刷新しています。従来から掲載していた会計ルールを、新基準にあ わせて手直ししています。また、「原価計算基準」など、未掲載であった会計ル ールも新たに追加しています。手入力ですので、大変な作業になりましたが、よ うやく公開にこぎ着けることができました。ゼミ生の宮城直子さんのご尽力に感謝 しています。

  新しい会計基準は、大蔵省企業会計審議会のホームページが、新会計基準のフルテ キストを公開しています。同じ会計基準を「財務会計ラボ」で手入力すると、資源 の浪費となるだけでなく、大蔵省の関係者のご苦労を無視することになってしまい ます。そこで、ずいぶん考えましたが、新会計基準については、とりあえずは「財 務会計ラボ」から企業会計審議会のホームページへとリンクを張り、そのまま利用 させていただくことにしました。ハイパーテキストになっていない(ワードのDOC 形式の)ファイルも含まれていますが、「日本の会計ルール」のコーナーはすべて が自前のファイルではありません。ご了承いただきたい、と思います

この「日本の会計ルール」には、強力な検索エンジンを取り付ける予定です。 たとえば「減価償却」といったキーを投入すれば、「減価償却」という用語を含む すべての会計ルールを画面に表示することにします。なお検討すべき点が残されて いますので、検索エンジンの取り付けは、もうしばらくお待ちいただかなければな りません。

◆次回の更新◆

  このラボは隔月更新しています。お正月までには次の更新をいたしたいと考えていま すので、よろしくお願いします。

  お仕事の進展を祈ります。


  1999年11月15日

             神戸大学財務会計ラボ

                           岡部 孝好