A Message from Webmaster to New Version(August 01, 1999)

1999年08月版へのメッセージ



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◆暑中お見舞い◆

  夏の盛りを迎えています。暑中お見舞い申し上げます。

  大学院入試などの日程が夏休みに食い込むようになってから、教官の夏休みは随分 短くなってしまいました。ですが、やはり夏休みの気分は格別で、ものごとをじっ くり考えてみようという、こころの余裕が回復してきます。この際、CGIスクリプト など、インターネットの上級コースも、もう少し勉強してみようか、と考えている ところです。

◆台北を訪問◆

  7月10日より開かれたGrobalization Conference(By AAA/TAA)に出席するため台北を 訪問し、素晴らしい台湾の文化に触れることができました。台湾は隣国なのに、ま だ一度も訪れたことがなく、それだけに何もかも新鮮な印象を受けました。わずか 5泊6日の滞在でしたが、下町の市場で買い物を楽しんだり、美味しい台湾料理を味 わったりする機会に恵まれ、思い出の多い旅行になったように思います。唯一の失 敗はさる食堂にカメラを置き忘れたことですが、その時にも、例によって台湾ビー ルをかなり飲んでいたわけですので、仕方のないことと諦めています。

  台湾では、多数の会計学関係の先生方や院生たちにお目に掛かり、いいお話をたく さん伺うことができました。また暖かいお心遣いやお世話をいただき、ありがとう ございました。厚くお礼を申し上げます。

なお、台湾でえた写真と絵もご紹介いたします

◆激変する日本の会計ルール◆

  戦後まもなく確立された日本の会計ルールは、数回の大幅な修正をへたものの、ほ どんどそのままの形で日本のビジネスをリードしてきました。企業会計原則、商法 、証券取引法、税法によって支えられた「制度会計」が、半世紀もの長きにわたっ て、ともかく機能をつづけてきたのです。しかし、いまその制度会計が、その足下 から大きく揺らいできています。

  国際会計基準から受けている挑戦も、その原因の1つといえます。しかし、もっと 根本的な原因として、日本の会計ルールが日本のビジネスにマッチしなくなったと いう点が挙げられます。ここ20年ほどの間に日本企業の行動が激変したのに、会計 ルールはそのままで、時代に取り残されてしまったのです。

  日本の会計ルールをアップデートし、時代のニーズにマッチさせる努力がつづけら れていますが、その結果が新会計基準のラッシュです。次から次に新しい会計ルー ルが発表され、新聞や会計雑誌を賑わしています。実務家もさることながら、会計 研究者もフォローアップに大いに苦しんでいます。テキストにも会話にも、新旧の ルールが入り乱れていますので、ゼミの学生たちも、悪戦苦闘しています。50年に 1回のことと慰めてはいますが、時代の変わり目に生き抜くのは大変なことです。

  この「財務会計ラボ」においては、「日本の会計ルール」というコーナーで、和文 ながら、日本の会計ルールの1部を、原文のまま公開しています。しかし、その後 の改正などによりかなり陳腐化してきましたので、全体にわたり、現在その見直し をすすめています。おりしも、新基準のラッシュと重なったために、大変な作業に なっていますが、ゼミ生の協力をえて、できるだけ早く「新装開店」にこぎ着けた いと思っています。

  なおこの「日本の会計ルール」には、検索エンジンを取り付ける予定であり、いま 全文検索ソフトのテストを行っています。これがうまくいけば、たとえば「引当金」 というキーを投入すれば、「引当金」という用語を含むすべての会計ルールが画面 表示されることになります。

◆いまが旬のeビジネス◆

  インターネットを使った電子商取引のことが、最近では新聞に出ない日がない。かつ てネットワークを使ったビジネスはプロの世界のことと考えられていたが、最近では、 対象商品が書籍、CR-ROM、オフィスサプライ、パソコン、ソフト、中古車、チケット、 証券など、一般消費者の身近なものに拡がり、あれよあれよという間に、わたしたちの 生活インフラの一部になってしまった。eビジネスは今が旬である。

  このeビジネスの世界は、商品の消費者側からというよりも、生産者側、流通業者側 からみると、まだまだ広大なフロンティアが残されているし、またそれだけにニュービ ジネスの機会も豊かである。インターネットの拡がりにともない、既存のビジネスモデ ルが再編されているだけでなく、旧ビジネスの淘汰と新ビジネスの創生がすすんでいる。 その実像はいまだ定かでないが、変革期に特有の刺激的なトピックがeビジネスの周り に多いことはまちがいない。eビジネスは今が旬である。

 ゼミ生の約半数が、このeビジネスとそれに関連するベンチャーの研究に取り組んで いる。その攻め口は異なるものの、インターネットをツールとする新しいビジネスモデ ルに共通の関心があり、知恵を絞ってeビジネスを攻め立てている。雨後の筍のように 事例は群生してくるが、文献が乏しいだけに、その攻略は容易でない。しかし、日本の 伝統的なビジネススタイルを変革する切り札はeビジネスだといわれているから、この eビジネスを攻め切らないことには、明日は見えてこないだろう。だから、ゼミの中で も、いきおい話題はeビジネスに集まる。eビジネスは今が旬である。

 

◆次回の更新◆

  このラボは隔月更新しています。10月には次の更新をいたしたいと考えていま すので、よろしくお願いします。

  お元気にて、よい夏休みをおすごしください。


  1999年08月01日

             神戸大学財務会計ラボ

                           岡部 孝好