A Message from Webmaster
to New Version(May 01, 2003)
2003年05月版へのメッセージ
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1995年10月 ラボ開設のご挨拶
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Webmasterからのメッセージのバックナンバー[Backnumber]
◆花の六甲台キャンパス◆
◆新著、いよいよ発売◆ 風薫る5月、いかがおすごしでようか。六甲台はいま花盛りで、
新緑の木陰にツツジが咲き乱れています。
新学期がはじまり、キャンパスはいま、若い学生たちのエネルギ
ーで満ち溢れています。教室も図書館も、廊下も食堂も、人でい
っぱいで、何もかも活気づいています。岡部ゼミの学生も、顔を
揃えはじめました。
この春は雨の週末が多く、テニスの休みは例年の倍ほどになりまし
た。しかし、これが幸いして、正月以来のテニス・エルボーの悩み
はほとんど解消して、復調です。阪神タイガースも快進撃中ですの
で、これからはもう少しテニスに力を入れようとしています。
この春にもまた眼の回る忙しさでしたが、おかげさまで、元気で毎日
を楽しんでいます。汗の季節になってきたものの、阪急六甲から坂
道を登るのも最高の気分です。
かねてより出版を準備していた
『最新会計学のコア』は、ようやく
公刊のステップにこぎつけ、連休明の5月8日に、版元の森山書店から全国一斉に発売が開始されました。283ページ、¥3,400です。
◆社会人MBAスクールの講義はじまる◆ ◆久しぶりの実証会計研究会◆ ◆事務室の移転◆ 「会計ビッグバン」の最新の動向を取り入れた初心者、中習者向け
のテキストですが、公認会計士など国家試験への準備、学部ゼミの
討議用教材などとしてもお使いいただけるはずです。会計学の独習
をはじめようとするビジネス(ウー)マンにとっても、格好の入門
書となるものと思われます。
会計学の学習では、「会計学特有の考え方」に早く馴染むのが重要
です。そこで、この『最新会計学のコア』では、基本的な概念だけに
焦点を合わせ、1つひとつにていねいな解説を試みています。理工系
の学部出身者、留学生などを念頭において、日本のビジネス・システ
ムの成り立ちなどにも、議論を拡げています。
この4月に入学したMBAスクールの学生は65名です。MBAスクールでは
土曜日の集中講義と平日夜間講義を開講していますが、土曜日集中講
義の最初の科目は財務会計応用研究です。担当者は岡部と須田教授(経済
経営研究所)となりましたので、先発ピッチャーとして、4月5日から
毎土曜日、朝9時から夕方5時までのハードスケジュールをこなしてきてい
ます。4日間で、延べ16コマのインテンシブ・コースですから、教材
の準備は大変な忙しさです。
しかし、学生たちも熱心ですし、議論も弾みます。MBAコースの学生は
現役の社会人ですから、深刻な会社の財政問題も飛び出し、毎回考えること
ばかりです。教室の議論を通じて思い知らされるのは、日本の会計がい
ま重大な転換点に差し掛かっていることです。
実証会計研究会(SOPAT)は長らく休眠状態でしたが、ぜひ再開してほしいという声
が高まり、1泊2日で、じっくり議論を戦わせることになりました。日時は
5月31日(土)正午からで、所は懐かしの関大飛鳥記念館です。
この実証会計研究会(SOPAT)は、各人か検討中の外国の実証文献を持ち寄り、
その仮説とか統計的手法などを分析する目的で生まれたもので、研究結果の
報告というよりも、文献検討会という性格を強く帯びていました。発足当時
には、実証会計の研究成果として報告するものがほとんどなかったという事
情もあります。しかし、いまでは様変わりになって、実証会計学が会計学研
究のメインストリートになってきています。
今回の実証会計研究会における報告者などはこれから決め、関係者にお知ら
せします。食事、宿泊を予約
する必要がありますので、飛び入りの方も、事前にご連絡ください。参加を
ご希望される方は、メールをいただけますと、手配をいたします。
正門の横に新築されたアカデミア館に生協が移転し、旧生協の2階建ビル
に事務室が移転しました。社会科学系事務室が旧生協の2階を占拠し、六
甲台の各部局の教務がすべて旧生協の1階に集合しました。
◆六甲台の建設ラッシュ◆ ◆公認会計士試験制度の改正◆ ◆次回の更新◆ 旧生協の建物は改修して、立派な見栄えに輝いています。しかし、各部局
には学務課長補佐と専門職員しか残っていないわけですから、右往左往の
毎日です。頭の切り替えができておらず、どこで何をどうすればよいかが
、いまだにはっきりしないのです。一番こまっているのはお客さんらしく、
事務室を探して、本館の中をうろうろしています。
法学部が本拠にしている第二学舎の裏には、プールがあります。人社系図書
館(六甲台本館)の書庫の裏から、このプールの間に新しいビルを建設する
ために、いま巨大な建設機械が騒音をか掻き立てています。六甲台グランン
ドの真南にあった道路とか階段を掘り下げているのです。
人社系図書館の裏に新築される建物は「第二総合研究棟」で、9階建ての新
アカデミア館です。1階から4階までは図書館が使いますが、それから上階は
研究室、会議室などに充てられる予定です。
六甲台の本館、講堂などの大改修の計画は延期になりました。しかし、それ
でもすさまじいばかりの建設ラッシュで、六甲台キャンパスは工事車両ばか
りです。
アメリカでは公認会計士試験制度の改正が報じられていて、試験の実施回
数が年2回増え、試験科目も2科目(財務論と経営管理論)増加する
といわれています。日本でも、二次試験の短答試験と論文試験、および三
次試験を統合して、1本にする案が議論されています。この統合にともな
い、試験科目にも修正が加えられることになりそうです。
この試験制度の改正の背後には、公認会計士を増やすという計画があります。
日本の公認会計士は、現在13,000人程度といわれていますが、それを30,000
人程度まで増やすというのが政府の方針のようです。ビジネスがますます専
門化して、それに対応できる高度職業専門人を大幅に増強する必要がある、
というのがその理由です。
現行の制度において、公認会計士の登竜門になっているのは二次試験ですが、
近年増えたとはいえ、その合格者は1,000人弱です。この合格者数を3,000人
まで引き上げるという案が報道されています。しかし、受験者層の学力が一
挙に上昇するとは考えられない点からすると、この員数合わせは、公認会計
士の質の低下を招くおそれがあります。
会計学に関連する高度職業専門人の養成コースとして、アカウンテング・スク
ールが以前から検討課題になっています。しかし、このアカウンテング・スク
ールはまだ形がみえないうえに、公認会計士制度とのリンクが不明のままです。
この状況において、公認会計士試験制度だけをいじくりまわすのは、将来に問
題を残すおそれがあります。
いよいよ緑が深くなっていく季節ですが、
みなさんごきげんよう。次回の更新は
7月を予定しています。
2003.05.01
神戸大学財務会計ラボ
代表 岡部 孝好
Graduate School of Business Administration
okabe@kobe-u.ac.jp
okabe@kobebs.ne.jp