A Message from Webmaster
to New Version(May 13, 2002)
2002年5月版へのメッセージ
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1995年10月 ラボ開設のご挨拶
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Webmasterからのメッセージのバックナンバー[Backnumber]
◆六甲台は新緑の季節◆
◆ラオスへの旅◆ ◆映画 "A Beautiful Mind"◆ ◆新学期が始まる◆ ◆専門大学院、「社会人MBAスクール」がスタート◆ (1) 組織開発コース:組織の設計、組織の活性化、人的資源の開発、キャリアデベロップメントなどの専門知識を育成することにより、組織、人事を革新するビジネスリーダーを養成する。
(2) 経営戦略・マーケティングコース:M&A、アライアンス、製品開発、マーケティング戦略などの専門知識を育成することにより、企画、戦略、マーケティングを革新するリーダーを養成する。
(3) 事業創造戦略コース:新規事業やベンチャーの創出、新技術の事業化、eビジネスの展開、市場創造、地域経済活性化などの専門知識を育成することにより、事業創造のマネジメントを革新するリーダーを養成する。
(4) ビジネス・モデル革新コース:新ビジネス・モデルの設計、既存ビジネス・モデルの再編、知的資源管理、国際戦略の立案などの専門知識を育成することにより、事業創造のマネジメントを革新するリーダーを養成する。
◆神戸大学100周年◆ ◆資本(株主持分)の部の表示区分の改正◆ (a) 資本金
(b) 資本剰余金
(c) 利益剰余金
(d) その他の項目
T 資本金
U 資本剰余金
1 資本準備金
2 その他資本剰余金
(1) 資本金及び資本準備金減少差益
(2) 自己株式処分差益
V 利益剰余金
1 利益準備金
2 任意積立金
3 当期未処分利益
W 土地再評価差額金
X その他有価証券評価差額金
Y 自己株式
資本合計
この春には、長い桜の季節を楽しむことができました。梅雨の訪れもことしは早いらしく、六甲台ではもう緑がいっぱいです。みなさん、お元気でしょうか。
入試、学期末、そして新学期のゴタゴタのなかでの、ラオスへの出張。このページの更新がすっかり遅れてしまいました。でも、元気で、新緑の六甲台の毎日を楽しんでいます。
ラオス(LAOS)というのはフランス統治時代の旧名らしく、正式には、ラオ人民民主主義共和国(Lao People's Democratic Republic)という。この国は、隣国の中国、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、タイに囲まれた山岳国で、人口は約600万人。農業、林業のほかに、主要な産業はなく、政府はいまも軍事政権という。
その首都、ビエンチャンに、バンコク経由で降り立ったのは2月24日のこと。乾季ということで、灼熱の太陽が輝いていた。日中の気温は35度をゆうに超えており、4月には40度以上にもなるという。ビエンチャンは、メコン河のほとりにある、人口約60万人の中規模都市。穴だらけで砂埃の舞う道路を、ツクツク(三輪タクシー)と単車が激しく飛び交う情景はすさましい。
ビエンチャンには、ラオス唯一の国立大学として、National University of Lao がある。その経済経営学部のスタッフを教育するのと、そして隣接の「日本人材育成センター」において「会計学と財務論」の講義をするのが、今回の訪問の目的であった。JAICAのプログラムで、講義は社会人を対象とするビジネススクールにおいて、3週間に6回。講義の言語は英語で、経済経営学部のスタッフがラオス語に通訳する。学生は45名ほどであったが、政府のオフイサーとカレッジ教師が数名、残りは民間のビジネス(ウー)マンたち。おっちゃん、おばちゃんもいたが、若い人が大勢で、平均は30歳くらいだろうか。みんな熱心に講義を聴いてくれ、コンパにも招待してくれた。このコンパでは、日本語の「イッキ」がはやっていたのには、おどろかされた。
衛生の不安が大きかったので、飲料水にはずいぶん気を使った。それなのに、3日めに、猛烈な腹痛と下痢。だれでも1回はやられることらしいが、やはり熱帯の生活環境はきびしい。ラオス料理は肉と野菜が主体であり、蒸したもち米を左手で練りながら、右手でハシを動かす。スパイシーで、ややあぶら濃いが、とてもおいしい。米粉のうどんはウーといって、具のうえに、はっかなどの野菜を盛り上げて、いただく。これもおいしい。ラオビールも最高。
日本の援助で作ったダムで発電し、タイへの電力の輸出で、外貨を稼いでいるらしい。このため、一般市民にも電気は十分に供給されているようで、家庭には電灯は点いている。しかし、テレビ、洗濯機、冷蔵庫はまだ「三種の神器」で、普及はこれからのこと。高床式の住居には、質素なベットがあるだけで、家具らしきものは見当たらない。壁は編竹、屋根はトタンというのが、平均的な家屋のつくり。ニワトリ、牛、ヤギとの共同生活だから、糞とかハイは、生活の一部である。都市のビエンチャンでも、労働者の月収は30ドル以下ということだから、北朝鮮を別にすれば、アジアの最貧国。
ラオスにおける3週間の滞在は、考えることの多い毎日でした。どのような産業を興すか。ビジネス・システムをどう創るか。市場をどう育てるか。隣国とどう競争するか。資源もなければ、技術もなく、郵便、通信、通貨、医療、教育など、どれをとってもナイナイづくしなのだから。たぶんは「ひとづくり」が最優先の課題で、そのためにこそわたしもラオスを訪れたのですが、教育は時間のかかる仕事で、先がみえてこない。
ジョン・ナッシュ(John Nash)といえば、ゲーム理論にでてくる「ナッシュ解」を発見したプリンストン大学教授。ノーベル賞の受賞者。火星からの通信を解釈できる地球人がいるとしたら、それはナッシュだろう、とまでいわれた暗号の天才。真冬に、サッカー場のベンチで昼飯を食う奇人。人を罵倒しながら往来を歩く変人。昔、カナダにいた時、ナッシュについていろいろなのウワサを聞いていました。そのナッシュを主人公にした映画、"A Beautiful Mind"が公開されましたので、さっそく観てきました。
「現実」と「幻想」との境は、たしかにむつかしい。われわれ凡才でも、その境があやしくなることがある。しかし、ナッシュにとっては、2つの境はないも同然で、どっちがどっちなのか本人にもわからなかったらしい。それこそ、"A Beautiful Mind"なのだろう。
3月に4回生16名が卒業し(国家試験受験者などが数名残留)、ビジネス社会に巣立っていきました。たぶんはいまごろ、新入社員向けのハード・トレーニングに疲れ果てているはずで、学生時代のハッピーな生活をなつかしんでいるのではないかと想像しています。
4月より3回生11名を岡部ゼミに迎え、新しいゼミがスタートしました。女性4名、男性7名の新しい陣容です。新しい気分で、とりあえず夏休みまで、全力疾走することになります。
前期における学部の講義は、2年ぶりに、「税務会計」です。本年もeレクチャーを試行することにしていて、拙著『会計報告の理論』のほかに、ホームページからも教材を提供していきます。
神戸大学経営学研究科では、1989年より社会人MBA教育を展開してきましたが、昨年その根本的な組替えに着手し、2002年4月より、専門大学院として本格的に「神戸大学ビジネススクール」がスタートを切ることになりました。その第1期生として68名が入学し、4月第2週から、すでに元気よく講義を受けています。
経営学研究科には4専攻がありますが、そのうち「現代経営学専攻」のマスター(修士課程)部分を分離独立させ、神戸大学専門大学院、「社会人MBAスクール」(ビジネススクール)としたものです。現役社会人対象、土曜日中心の開講、1年半修了、プロジェクト研究と演習(修士論文)のバックボーン、32単位の履修というのが、コース設計の骨子です。ウィークデイの夜間にも科目が開講されていますので、1年間で20単位ほど単位を取得できますので、海外留学などによる延長がないかぎり、1年半で修了できます。ただ、その間、ミニプロ、プロジェクト研究、演習と、学生中心のリサーチ・プログラムが続きますので、火の出るハード・コースであることはまちがいのないところです。
このビジネススクールは、高度専門職業人の養成を目指しており、次の4コースからなっています。
これらいずれのコースにおいても、神戸大学特有のプロジェクト方式が中核となりますので、小グループによるフィールドワーク、ケーススタディが大きなウェートを占めることになります。このプログラムの革新も、われわれスタッフにとって、大きな課題です。
神戸大学経営学部の前身は「神戸高商」です。この神戸高商が誕生したのは、明治35(1902)年のことですから、本年は100年祭にあたります。この生誕100年を記念する式典が5月11日(土)に、ポートピアホテルにおいて行われます。ドイツ経営学の泰斗、アルバッハ教授が「知のマネジメント」という記念講演を行うほか、記念シンポジュームやパーティが予定されています。
本年3月に「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」(2002.3.16)が発表され、これにおうじて財務諸表等規則が改正されました。この結果、資本の部は、その表示区分が大幅に変更されました。
(1) 資本の部においては、資本金(法定資本)を区別するほか、資本剰余金と利益剰余金との区別を明確にする(旧来の「法定準備金」という括りは廃止して、法定の利益準備金は利益剰余金の見出しのもとに収容する)。理論とおりに、払込資本の保全を強調しているために、資本剰余金と利益剰余金とを混同すること、特に資本剰余金を利益剰余金に振り替えることは、原則として許されない(反対の振替えは可能)。その他資本剰余金の処分額と当期未処分利益の処分額との混同も、禁止されている。
(2) 資本の部は次の4つに区分して、表示する。
(3) 資本剰余金は、さらに(a)資本準備金、(b)その他資本剰余金に区分する。資本金と資本準備金の取崩しによる剰余金(資本金と資本準備金減少差益)と自己株式処分差益は、「その他の資本剰余金」に計上する。なお、減資差益という旧来の項目は、廃止となっている。
(4) 利益剰余金は、(a)利益準備金、(b)任意積立金、(c)当期未処分利益に区分する。
(5) 「その他の項目」には、(a)土地再評価差額金、(b)その他有価証券評価差額金、(c)自己株式が含まれる。自己株式は取得原価をもって評価し、資本の部の末尾において一括控除する。
(6) 自己株式の処分による差益は「その他の資本剰余金」に表示するが、自己株式の処分による差損は、「その他の資本剰余金」がマイナスにならないかぎりにおいては、「その他の資本剰余金」から控除し、マイナスになる場合においては、利益剰余金の当期未処分利益から控除する(当期未処分利益から控除しきれない場合については、不明)。
(7) 自己株式を消却した場合にける控除項目(その他の資本剰余金か当期未処分利益)は、取締役会の決定によってそのつど決定する。控除の日は、消却手続きが完了した日となる。
(8) 個別貸借対照表における表示例は、次のようになる。
2002.05.13
神戸大学財務会計ラボ
岡部 孝好
Graduate School of Business Administration
okabe@kobe-u.ac.jp
okabe@kobebs.ne.jp