A Message from Webmaster to New Version(January 9, 2001)
2001年01月版へのメッセージ
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1995年10月 ラボ開設のご挨拶
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English]
◆賀春◆
あけまして、おめでとう、ございます。
おかげさまで元気に、21世紀の新春を迎えています。
わたしたちの生活のすみずみに、ようやくにしてインターネットが溶け込んできたように思えます。インターネットは研究や教育の主軸になってきましたし、新しいビジネスを駆動しているのもインターネットです。いよいよ、おもしろい時代がやってきました。本年も、六甲台のこのサイトから力強く発信をつづけますので、よろしくお願いします。
◆「財務会計ラボ」へのアクセス◆
インターネットがますます普及してきたということでしょうか、昨年一年を通じてこの「財務会計ラボ」に対する外部からのアクセスは高い水準にあり、
たいへんありがたいことと感謝しています。会計関係のポータルサイトとしてご利用いただいているみたいで、「日本のホームページxxx選」といった雑誌
にもしばしばご掲載いただいています。
このページにカウンターを埋めたのは2000年4月1日のことですが、その後の毎月のアクセスの経過を示しているのが左のグラフです。毎月2,500件の安定
したアクセスがあり、4-12月の9ヶ月で、23,000件を超えるアクセス記録しました(この資料をご提供いただいた高松志麻さんにお礼を申し上げます)。
学生に提供している教材はカウントされない仕組みです(アクセスするサ
イトが異なる)ので、この内部利用の件数を含めるともっと大きな数字になるはずです。21世紀の新年になりましたので、カウンターをゼロに戻して、フレッシュ
・スタートいたしましたが、さて、ことしはどうなるでしょうか。
たくさんのアクセスをいただくには、何といってもコンテンツの新鮮さが大切かと思います。台湾な
ど海外からいただいたクリスマスカードにも、お励ましのことばが散見されましたので、できるかぎる更新をサボらないように、本年も頑張り抜きたいと思います。よろしくお願いします。
◆初詣はお伊勢参り◆
ここ数年初詣の余裕を失っていましたが、ことしは思い立って、家内とお伊勢参り。特に折り入ってのお願いごとがあるわけではありませんが、人混みにまみれて初詣にゆくと、なんとなく気分がしゃきっとしてくる感じです。もっとも、例によって門前のうなぎやで、かなりの昼酒をいただきましたので、近鉄特急で一眠りして、難波で降りたときには、あたまの芯は乗車前よりも濁っている感じでした。
◆シャープ天理工場を見学◆
3回生の岡部ゼミ生16名+αとともに、12月12日にシャープ天理総合開発センターを訪問しました。MTホール、IC工場などを見学させていただきましたが、液晶技術の最先端など、興味深いトピックスが多数あり、大いにエンジョイさせていただきました。学生たちも口にしていたことですが、やっぱり第一級のエクセレント・カンパニーは、何から何まで違うなー、という印象です。
学生諸君の興味はひかなかったみたいですが、陳列されていたかつての製品の中には、電卓付きそろばん、白黒テレビなど、わたしにとって思いで深いものがかなりありました。なかでも懐かしかったのは鉱石ラジオと6球スーパーラジオで、その前では足が停まってしまいました。岡部少年がかつて組み立てた鉱石ラジオも、5球スーパーラジオも、ここに陳列されていような立派なものではありません。はるかに低性能のものです。しかし、ハンダごてで畳に穴をあけたり、やけどをしたりしたあげくに、NHKの放送をかすかにキャッチしたときの感動は忘れられません。その記憶が蘇ったのです。
暮れの忙しい時に、天理総合開発センターのみなさんにも、証券財務部IR室の石原さんと平田さんにも、たいへんなご迷惑をおかけいたしました。おかげさまで、よい勉強ができたと、学生たちと喜んでおります。厚くお礼を申し上げます。
◆落雷のショック◆
昨年11月の某日某刻、六甲台キャンパスの名物となっている、天に聳えるボイラー室の煙突に、突然の落雷がありました。桶狭間の戦いのときのように(?)、にわかに空が掻き曇り、何の前触れもなしに、火の玉と轟音が102教室の裏あたりに突き刺さりました。10月に研究所の建物の手すりに落ちて以来、この秋2回目の落雷です。
六甲台キャンパスでは100回線以上もの電話回線がこの落雷で切れましたが、コンピュータ、ネットワーク機器も被害甚大で、あちこちで故障が続出し、大騒ぎになりました。その中の最も深刻な被害の1つが岡部研究室のパソコンで、一番古くから働いてきた(したがって一番中身の詰まっていた)ハードディスクが破壊され、1台のパソコンがダウンしてしまいました。
岡部研究室ではBluefox, Wildpig, Redfrogという3台のパソコンでネットワークを構成し、Windows NT Server(Ver. 4.0)でこれらを管理しています。この研究室内のネットワークを取り仕切っているのがドメインサーバーのBluefox君ですが、そのハードディスクがものの見事にクラッシュしてしまったのです。応急の措置として自宅のパソコンを持ち込んでみたりしましたが、結局のところネットワークは復旧せず、こころ苦しい越年となりました。このホームページを提供しているWWWサーバーのWildpig君が元気で、健闘してくれていますので、それだけを頼りに、ほそぼそと開店をつづけているのが現状です。
しかし、泣いてばかりというわけにもまいりませんので、サイフをはたいて新しいサーバーマシンを調達し、Windows 2000 Serverの新体制でフレッシュ・スタートを切る予定です。おそくとも2月末までには新サーバーを立ち上げ、さらにパワーフルなサービスの提供を開始したいと思いますので、ご期待ください。
◆夢のギガビットLANへ◆
2000年度の補正予算においてIT関連の追加投資が決まり、神戸大学のキャンパス・ネットワークのKHANがギガビットLANにグレードアップされることが決定されました。2001年夏休みまでに、すべての学舎を光ケーブルで結び、1000MBBPSの超高速通信を実現します。六甲台キャンパスにおけるギガビットLANの敷設は、経営学部が繰り返し要求してきたことですが、その夢がようやく形になります。
経営学部ではこのギガビットLAN計画にあわせ、ビデオ・オン・デマンド(VOD)システムと無線LAN・システムをさらにいっそう拡充します。また、サテライト教室における遠隔授業の実験プログラムも立ち上げます。2001年は、ネットワークという点でも、経営学部にとって新しい出発の年になるのかもしれません。
オフキャンパス・ネットワーク"KOBEBS.NE.JP"が新装開店◆
神戸大学経営学研究科・経営学部では、1999年12月より、学外にインターネット拠点の構築を開始し、2000年4月より、テスト運用を行ってまいりました。「神戸ビジネススクール・オフキャンパス・ネットワーク」がそれで、「kobebs.ne.jp」のドメイン名をもっています。在学生だけでなく、卒業生に向けて、ブラウジング、eメール、ホームページ、メーリング・リストなどのサービスを提供しています。これらのインターネット・サービスはクボタの子会社「ファースト・サーバ(株)」にその運用が全面的に委託されており、同社によって管理されています。そのホームページのアドレスは次のようになっています。
2000年12月に、このオフキャンパス・ネットワークのホームページが一新され、インターネット・サービスが格段に強化されました。新装開店により、本格運転をスタートしたわけです。
このオフキャンパス・ネットワークには、経営学部の関係者であれば、学生でも、卒業生でも、スタッフでも、自由に加入することができます。上のホームページにアクセスして、自分でメンバー登録をするのが原則です。料金は市価よりもかなり低く設定されていますが、有料であり、クレジットカード払いになります。
◆持分プーリング法、さようなら◆
持分プーリング法というのは合併(merger)の会計方法で、買収法に対置されています。過去半世紀、買収法と持分プーリング法との間には深刻な論争がつづいてきましたが、アメリカのFASBは持分プーリング法を排除する方針を決めたもようで、2001年の1月末にも、新会計基準を公表するということです。いよいよ、持分プーリング法は、さようなら、となります。なお、国際会計基準も持分プーリング法にはきびしい姿勢を示していますが、一部の状況に限って、持分プーリング法を残存させる可能性があるといわれています。
合併の会計において持分プーリング法がよく利用されるのは、持分プーリング法によれば、合併の後において、高い公表会計利益をみせかけることができるからです。買収法によると、合併時には「のれん」を計上し、合併後にこののれんを償却することが必要ですが、のれんの償却費は巨額ですので、公表会計利益を圧迫します。持分プーリング法によるとのれんの償却負担から開放されるのです。
買収会社の経営者にとっては、買収法よりも持分プーリング法の方がメリットが多く、無理してでも持分プーリング法を適用したいと考えています。そこで、合併の相手側企業に有利な買収価格を提示して、その経営者の協力を求めます。これは、合併相手をカネで釣って、持分プーリング法を適用するのと同じことですから、「持分プーリング法を買う」戦略といわれています。FASBが持分プーリング法を禁止しようとするのは、このような不健全な会計実務が横行しているからです。
このような持分プーリング法をめぐる論点を次の論文にまとめておきましたので、ご関心の向きはご参照ください。
岡部 孝好、「利益数値制御行動としての持分プーリング法の適用」、『会計』(近刊)
◆2つのASP◆
最近はやりの3文字略語の1つにASPがありますおしてが、これには2種類があります。1つはApplication Service Providerであり、これはコンピュータ業務をアウトソースした場合における受皿会社のことです。アウトソースされたコンピュータ業務を受注した会社では、クライアントのためにソフトを開発して、クライアントに対して専用のサービスを提供します。そして、そのサービスの対価として、利用料金を徴収します。これが第1のAPSです。
インターネットに関連するニュービジネスは、そのほとんどが特定のクライアントのためにコンピュータ・サービスを提供するという形をとります。なにもかもネットワーク・ベースというのが最近の特徴ですが、いずれにしても、クライアントに高品質のサービスを提供するには、優れたアプリケーションを開発することが不可欠となります。最新のITテクノロジーを導入して高品位のアプリケーション・サービスを提供し、これによってクライアントのCSを確保することが、ASPの最も重要な戦略的課題といえます。
これに対して、第2のASPはActive Server Pageであり、これはホームページにおいて、双方向にデータの受け渡しを行う技術を指します。インターネットの供給サイドにあって、遠隔のパソコンのブラウザーからのデータ送信要求に対応しているのはWWWサーバーです。このWWWサーバーとクライアントのブラウザーとのデータのやり取りは、ふつうは一方向で、サーバーからクライアントへと流れるだけです。しかし、最近では、サーバーとクライアントとの間で、データが行き来させる技術が発達してきており、eコマースにみられるように、インターネット上でインターラクティブな対話が成り立ちます。この双方向のデータ交換技術の1つが、ASPです。この「財務会計ラボ」でも、「会計文献データベース」のコーナーなどでは、ASPを使っています。
UNIXベースのWWWサーバーの世界では、CGI(Common Gateway Interface)という技術によってデータを双方向で動かすのがこれまでのやり方でした。しかし、昨年よりASPの技術が普及しはじめ、このASPを中心にeコマースが急激に広がってきています。WWWサーバーとデータベースサーバーとの連携によって、インターネット上において、反復的な双方向の対話を円滑に成り立たせるのです。このインターラクティブな対話を成り立たせているのはASPですので、この「財務会計ラボ」においても、さらにASPの導入を広げ、eコマースへつないでいきたいと考えています。
次の更新
次の更新は3月末を予定しています。これから本格的な冬の季節に向かいます。風邪などお召しにならないよう、ご健康にいっそうご配慮いただき、ますますご活躍いただきますようお祈りします。
2001年1月9日
神戸大学財務会計ラボ 代表 岡部 孝好